おとのひび

音楽は、楽しいだけじゃない。

相対音感は演奏を支える力

以前、絶対音感についての記事を書いたところ、予想外に多くの方に記事を読んでいただきました。
良ければこちらもご覧ください↓↓

otonohibi.hatenablog.com


さて、実は音感について、もう一つお話したいことがあります。
絶対音感と同じ、音感の仲間ではあるけれども、性質が全く違う音感、「相対音感」についてです。
今回は、相対音感がどういう音感なのか、どのように役立つのかについて書きます。

 

 

 

 

相対音感とは何なのか??

「相対音感」とは、音を判別したいとき、「ある音と比べて、判別したい音がどのくらい離れているかを探ることで、音名を判別する」能力のことです。

例えば、初めに「ラ」の音を聞いておいて、その後に「ド」の音を聞いた時、頭の中で「ラ・シ・ド」と順番に音を数えることで、「ド」の音を判別することができるのです。
絶対音感が「一つの音だけで瞬時に音名が分かる」のに対して、相対音感は「複数の音の音程を比べることで音名が分かる」能力なんですね。

二つの音感を比べると、一音の判別スピードの点では絶対音感が有利なことは間違いありません。 普通に話していても、その声が瞬時に音名に変わるくらいなのですから。

ただし、相対音感には絶対音感よりも優れた点が2つあります。

1、複数の音を同時に判別できる


前回の記事で、「絶対音感が鋭い友人は、ゲームセンターに行けない」みたいなことを書きました。 音が音名に聴こえるため、ずっと頭の中で声がしているようなものだからです。

言い換えれば、音が「一つずつ聴こえすぎている」とも言えます。
つまり、複数の音が同時に鳴った場合、個々の音は聴こえるけれども、一つの和音として判別しにくいことがあるのです。

しかし相対音感の持ち主は、普段から音程で音を判別しているため、和音が鳴っても「あ、これはこんな和音だから、これとこれとこの音」のように、大きく音を捉えることができるので、意外と和音の調音が得意だったりします。

2、和声感を感じ取りやすい

和声感とは、メロディーの裏に隠れた和音の動きのことです。

例えばある曲を聞いて、その曲が明るい曲なのか、暗い曲なのか、というのは、一般の人でも分かります。 音楽の知識が全くない私の祖母も、「今度の曲は暗い曲やなー」とか言います。笑

曲の雰囲気をキャッチすることを極めていくと、曲の中の一つのメロディーが明るいのか暗いのか、そして「どんな和音でメロディーが創られているのか」を瞬時に感じ取ることができるのです。
この能力もやはり、音を大きく捉えることができる相対音感の特徴だと言えます。

絶対音感の人でも和声感のある演奏をする人はたくさんおられますが、私の感覚として、相対音感の人の方が和声感を掴みやすいです。

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演奏における相対音感

では、演奏において相対音感はどのようは役割をするのでしょうか??
私の考えでは、「和音に強い」ことは、演奏において最強の能力です。

音楽の授業で、「リズム・メロディー・ハーモニー」の3原則は習いますよね。
子どもの頃はただ暗記しただけで終わっていましたが、演奏家となった今、この3原則の重要性を実感しています。

何より、リズムは練習すれば習得できるし、メロディーも自分の歌心を研究すれば聴衆にアピールできますが、ハーモニーを演奏に表現するためには、どうしても感覚に頼らなければならないことが多々あります。

私はよくレッスンで、「もっと和声感出して!!」と言われていました。 「メロディーの裏に隠れている和音の動きを感じ取って、演奏として表現すること」だと今は理解していますが、昔は意味が分かりませんでした。

毎回のように和声感について指摘され、自分で消化できないままレッスンが終わることが悔しくて、「どうしたら和声感を出せるのか、というかそもそも和声感ってなんだ??」と悩んでいたのです。

自分一人で考えててもしょうがない!と思ったので、とにかく人の演奏を聴きまくることにしました。
すると、自分的に好きな演奏、いまいちな演奏の区別ができるようになってきたのです。 さらに、その好きな演奏に共通していたのは、音楽が立体的で和声の響きが濃厚だということでした。

「そうか、和音の響きを聴き取って、和音が変わったことをお客さんに伝えればいいのか!」と気づくことができ、練習を積み重ねることで、和声感のある演奏というのを理解できました。
言葉で簡潔に説明しろ、と言われれば今でも難しいですが、大まかに意味を理解した今、今度はどうやって和声を表現するかを日々研究しているところです。

以上、相対音感についてお話しさせていただきました。
絶対音感とは違うけれども、演奏するうえでとても貴重な音感です。
相対音感は何歳からでも、トレーニングを積めば身につけられるので、興味のある方は一度レッスンを受けてみてもいいかもしれませんね!
ではでは、See you Next!